後縦靭帯骨化症

首の痛みの原因として疑われる病気に、後縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)と呼ばれるものがあります。首には第1から第7までの椎骨が存在し、それらをまとめて頚椎と言いますが、椎骨と椎骨をつなぐ役割をする靭帯が3つあり、それぞれ前縦靭帯・後縦靭帯・黄色靭帯と呼びます。後縦靭帯骨化症とは、その靭帯の一つである後縦靭帯にカルシウムが溜まり、通常は弾力のある靭帯が骨のように硬くなってしまう病気です。

後縦靭帯の後面には脊髄が、側面には神経根があるので、後縦靭帯骨化症になり後縦靭帯が肥大して骨化すると、脊髄や神経根を圧迫してしまうのです。その結果、首や肩の痛み、手足の痺れや麻痺などの症状に悩まされる事になります。症状が出ているにも関わらずそのまま放置してしまうと、最悪、歩けなくなったり寝たきりになってしまう事もあります。

「首が痛い。しかし、肩がこるような事をしていない。」

という場合、首を前後に倒してみてください。その際、首が痛むようでしたら後縦靭帯骨化症の可能性が考えられます。また、最近、転倒などの強い衝撃を受けた覚えがある場合も注意が必要です。転んだ拍子に後縦靭帯骨化症になってしまう方も多いので、心当たりがありましたら、直ぐに病院で検査を受けましょう。

後縦靭帯骨化症は治る病気です。しかし、症状が出たまま放置して悪くなってしまった場合、脊髄の圧迫を取り除くための手術を受けなければならず、体に大きな負担になります。そうならない為にも、早期に首の痛みの原因を知り、治療を心がけましょう。